資本市場の健全な発展に寄与することを目指し、2009年度から開始した「プロネクサス懸賞論文」を本年においても引き続き実施いたしました。このたび、受賞作品が決定いたしましたので、お知らせいたします。
「上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究および提案」というテーマに対して、部門T(個人または2名)に10本、部門U(大学生グループ)に5本、計15本の論文の応募があり、審査委員会にて厳正かつ多面的に検討を行い、部門Tで佳作3本の論文を選定いたしました。
審査結果
部門T (個人 または2名) |
佳 作 | 君島 陽子(青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科) 「わが国監査法人における監査アシスタント活用の現状と課題」 |
佳 作 | 大箸 祐太(東京大学 経済学部4年) 「SNSを用いたバッド・ニュースの拡散戦略と株価反応への影響」 |
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佳 作 | 加藤 優美(埼玉大学 経済学部3年) 「上場子会社の完全子会社化における一般株主の利益保護と情報開示」 |
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部門U (大学生 グループ) |
該当なし |
受賞論文の概要
第1の佳作 君島 陽子氏の「わが国監査法人における監査アシスタント活用の現状と課題」は、監査チームの一員であるが、資格を有していない「監査アシスタント」の実態について、大手4法人および準大手5法人への質問票調査と各監査法人が公表している「監査品質に関する報告書」を分析し、監査アシスタントの会計・監査に関する専門的知識がどの程度期待され、そのための研修等の機会が整備されているのかを検討している。
第2の佳作 大箸 祐太氏の「SNSを用いたバッド・ニュースの拡散戦略と株価反応への影響」は、バッド・ニュースの開示とSNSを用いた拡散の関係、およびバッド・ニュースのSNSでの拡散が株価反応に与える影響を調査し、ディスクロージャーの手段の1つとしてのSNSの活用について提言している。
また、第3の佳作 加藤 優美氏の「上場子会社の完全子会社化における一般株主の利益保護と情報開示」の目的は、親会社が上場子会社を完全子会社化する際に、買収価格を不当に低く設定し、子会社の一般株主の利益を損なうことが問題視されていることから、「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」(2019年経済産業省)で示されている公正性担保措置を講じ、その内容を情報開示することで、一般株主が保護されているかどうかを検証している。
授賞式の開催模様
今回は新型コロナウィルス感染症の影響により、授賞式の開催を取りやめといたしました。
審査委員
委員長 | 千葉商科大学会計大学院 教授 慶應義塾大学 名誉教授 |
黒川 行治 |
委 員 | 会計教育研修機構 専務理事・事務局長 | 新井 武広 |
委 員 | 早稲田大学商学学術院 教授 | 川村 義則 |
委 員 | 早稲田大学大学院経営管理研究科 教授 | 小宮山 賢 |
委 員 | 株式会社バリュークリエイト パートナー | 佐藤 明 |
委 員 | 青山学院大学大学院 教授 | 多賀谷 充 |
委 員 | 株式会社プロネクサス 取締役会長 | 上野 守生 |
(敬称略) |