資本市場の健全な発展に寄与することを目指し、2009年度から開始した「プロネクサス懸賞論文」を本年においても引き続き実施いたしました。このたび、受賞作品が決定いたしましたので、お知らせいたします。
「上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究および提案」※というテーマに対して、6本の論文の応募があり、審査委員会にて厳正かつ多面的に検討を行い、優秀賞1本、佳作2本の論文を選定いたしました。今回は、残念ながら最優秀賞は該当なし、となりました。
※ | 但し、実証結果を出すための実証分析は不可。なお、提案を補強するための実証分析を論文の一部に含めることは可。また、IRの具体的な表示方法の工夫を提案することも可とする。 |
審査結果
最優秀賞 | 該当なし |
優秀賞 | 1本 高崎 祥徳(たかさき よしのり) 野中 菜央(のなか なお)(一橋大学 商学部4年) 「役員報酬開示の実態と有用性向上への提言」 |
佳 作 | 2本 栗田 奈津希(くりた なつき) 宮内 拓郎(みやうち たくろう)(北九州市立大学 経済学部3年) 「どのようなディスクロージャー情報が株主資本コストを引き下げるのか ―SAAJによるディスクロージャーランキングを利用した実証研究―」 松尾 剛行(まつお たかゆき) (桃尾・松尾・難波法律事務所 弁護士) 「金融商品取引法上のディスクロージャーにおいて虚偽記載等として禁じられる 『誤解を生じさせないために必要な重要な事実』と『記載すべき重要な事項』の意義」 |
要旨
優秀賞は、高崎祥徳氏と野中菜央氏の共著『役員報酬開示の実態と有用性向上への提言』であります。本稿は、有価証券報告書における役員報酬の決定方針に関する記述の実態を明らかにすること、そして、役員報酬開示の充実を図ることが企業に正の影響をもたらすという事実を提示することを目的としています。開示内容の実態調査では、国内全上場企業を対象として役員報酬開示を調査し、独自の分類に従ったデータベースを構築することで、多くの企業の役員報酬開示が投資家にとって有用性の低い限定的なものにとどまっているという事実を明らかにしております。
佳作の1本目は、栗田奈津希氏と宮内拓郎氏の共著『どのようなディスクロージャー情報が株主資本コストを引き下げるのか―SAAJによるディスクロージャーランキングを利用した実証研究―』であります。本稿では、企業のディスクロージャー情報が株主資本コストの低下に本当に影響するのか、また、どのような情報が最も株主資本コストの低下に影響するのかという問いに答えるため、日本証券アナリスト協会によるSAAJ報告書を用いて実証的に分析しております。
佳作の2本目は、松尾剛行著の『金融商品取引法上のディスクロージャーにおいて虚偽記載等として禁じられる「誤解を生じさせないために必要な重要な事実」と「記載すべき重要な事項」の意義』であります。本稿では、アーバン事件を題材に「誤解を生じさせないために必要な重要な事実」と「記載すべき重要な事項」の意義を明らかにし、上場企業のディスクロージャーをより効果的で効率的なものにするための金融商品取引法の規定の一端をより明確化することを試みております。
※受賞論文、講評の全文は研究所レポート第9号(2015年1月刊行)に掲載してあります。
授賞式の開催模様
2014年12月5日午前10時30分より、弊社において授賞式を開催し、優秀賞を受賞された高崎祥徳氏と野中菜央氏、佳作を受賞された栗田奈津希氏と宮内拓郎氏に、表彰状の授与などが行われました。
はじめに、弊社代表取締役会長 上野守生より挨拶があり、表彰状の授与へ移りました。受賞者の方々には、弊社会長 上野より表彰状と懸賞金の目録がそれぞれ贈呈されました。
次いで、黒川行治審査委員長(慶應義塾大学商学部教授)から、受賞論文に関する講評についてお話がありました。
手前左から、高崎祥徳氏、野中菜央氏、栗田奈津希氏、宮内拓郎氏、奥左から常務執行役員水沼久雄、審査委員長黒川行治氏、弊社会長上野守生、弊社社長上野剛史
また、松尾剛行氏の授賞式は、12月11日に開催いたしました。
左から、常務執行役員水沼久雄、松尾剛行氏、弊社会長上野守生、研究所理事齋藤良治
募集要項(ご参考)
テーマ上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究および提案。
(但し、実証結果を出すための実証分析は不可。なお、提案を補強するための実証分析を論文の一部に含めることは可。また、IRの具体的な表示方法等の工夫を提案することも可とする。)
応募資格
40歳以下(2014年9月20日現在)の日本在住の方。大学生・大学院生・研究者・一般社会人等。個人または共同執筆(2名まで)。
懸賞金額
最優秀賞50万円(1本)、優秀賞30万円(1本)、佳作10万円(若干名)
応募締切
2014年9月20日(土)当日消印有効(持参不可・応募先は下記参照)
審査方法
下記の審査委員で構成する審査委員会で審査を行います。
委員長 | 慶應義塾大学商学部 教授 | 黒川 行治 |
委 員 | 早稲田大学大学院商学研究科 教授 | 小宮山 賢 |
委 員 | 株式会社バリュークリエイト パートナー | 佐藤 明 |
委 員 | 青山学院大学大学院 教授 | 多賀谷 充 |
委 員 | 株式会社プロネクサス 代表取締役会長 | 上野 守生 |
(敬称略) |
発表
受賞者名は、2014年12月頃を目途に弊社ホームページにて発表致します。
受賞者には個別にご連絡致します。
受賞作は弊社研究所機関誌「研究所レポート」に掲載致します。
最優秀賞論文は、専門雑誌への掲載も予定しています。
応募規定
1. | 日本語で書かれたもので、未発表論文に限ります(1人1点)。 |
2. | 参照した文献がある場合には、「参考文献」として明記してください。 また、引用した場合は出所を明記してください。 |
3. | 受賞論文の版権は当社に帰属します。 |
4. | 文章量は12,000字程度。図表・参考文献は別。 Word形式 A4 40字×35行(フォントサイズ:11ポイント)図表はExcel可。 |
5. | データ(論文・要旨)をE-mailに添付し、件名を「第6回プロネクサス懸賞論文応募」として応募先アドレスまで送付すると同時に、以下の必要書類を配達証明付で締め切り(当日消印有効)までに応募先へ郵送してください。 ・論文の出力原稿 ・要旨を800字以内(Word形式)にまとめたもの ・応募申込用紙(出力し、必要事項をご記入ください) |
6. | E-mailに添付していただいた論文データと、配達証明付きで郵送された必要書類が両方ともに揃った時点で応募とみなさせていただきます。 なお、応募された論文等は返却致しませんので、ご了承下さい。 |
問合せ・応募先
(株)プロネクサス プロネクサス総合研究所 懸賞論文係 原口(はらぐち)
〒105−0022 東京都港区海岸1−2−20 汐留ビルディング5階
TEL:03−5777−3032(平日9:00〜17:30) E-mail:souken@pronexus.co.jp
※ | お預かり致しました個人情報は、本懸賞論文にかかる業務のみに利用し、当社の「個人情報保護方針」(http://www.pronexus.co.jp/home/privacy/index.html)に従って適切に取り扱います。 |