資本市場の健全な発展に寄与することを目指し、2009年度から開始した「プロネクサス懸賞論文」を本年においても引き続き実施いたしました。このたび、受賞作品が決定いたしましたので、お知らせいたします。
「上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究および提案」※というテーマに対して、15本の論文の応募があり、審査委員会にて厳正かつ多面的に検討を行い、優秀賞1本、佳作3本の論文を選定いたしました。
審査結果
優秀賞 | 1本 十見 元紀(東京経済大学 経営学部4年) 白井 文乃(東京経済大学 経営学部3年) 「IFRSにおける連結財務諸表の比較可能性の進展に向けて」 |
佳 作 | 3本 佐々木 美穂(東北学院大学 経営学部3年) 岡崎 琴音(東北学院大学 経営学部3年) 「取締役会実効性評価の開示実態と改善にむけた提言」 岩田 聖徳(一橋大学大学院 商学研究科) 「機関投資家による議決権行使に係る開示の実態と影響 ―買収防衛策議案への投票データを用いた分析と提言―」 野原 啓佑(東京大学 経済学部 4年) 「取締役会および監査役会の特徴が経営者予想利益の精度に与える影響」 |
要旨
優秀賞は、十見元紀氏と白井文乃氏の共著「IFRSにおける連結財務諸表の比較可能性の進展に向けて」であります。本稿の目的は、日本基準とIFRS基準によって作成された上場会社の連結財務諸表の比較可能性に関する問題点を、表示方法の変化の実態を調査し検討することであります。著者は、2010年3月から2017年7月までにIFRSを任意適用した上場会社のうち日本基準からIFRS基準に変更した97社をサンプル会社とし、IFRS導入前年度の日本基準による財務諸表、IFRS導入前年度、導入年度および導入翌年度のIFRS基準による財務諸表を分析対象データとしています。
佳作の第1は、佐々木美穂氏と岡崎琴音氏の共著の「取締役会実効性評価の開示実態と改善にむけた提言」であります。本稿の目的は、コーポレートガバナンスコードによって開示が要請されている取締役会の実効性評価に焦点を当て、その開示実態を分析し、課題を浮き彫りにし、改善のための提案をすることにあります。
佳作の第2は、岩田聖徳氏の「機関投資家による議決権行使に係る開示の実態と影響−買収防衛策議案への投票データを用いた分析と提言−」であります。本稿の目的は、議決権行使を通じた企業と投資家との対話を改善するための政策運営に資する分析結果を提供することであります。
佳作の第3は、野原啓佑氏の「取締役会および監査役会の特徴が経営者予想利益の精度に与える影響」であります。本稿の目的は、取締役会および監査役会の特徴と経営者予想利益の精度との関係を分析した上で、コーポレートガバナンスの観点からよりよいディスクロージャーのための制度設計について提言することであります。
※受賞論文、講評の全文は研究所レポート第12号(2018年3月刊行)に掲載しております。
授賞式の開催模様
2018年1月16日午前11時00分より、弊社において授賞式を開催し、優秀賞を受賞された十見元紀氏(白井文乃氏はご欠席)、佳作を受賞された佐々木美穂氏と岡崎琴音氏、岩田聖徳氏、野原啓佑氏に、表彰状の授与などが行われました。
はじめに、弊社取締役会長 上野守生より挨拶があり、表彰状の授与へ移りました。受賞者の方々には、弊社会長 上野より表彰状と懸賞金の目録がそれぞれ贈呈されました。
次いで、黒川行治審査委員長(慶應義塾大学商学部教授)から、受賞論文に関する講評についてお話がありました。
手前から、十見元紀氏、奥左から弊社会長上野守生、審査委員長黒川行治氏、弊社社長上野剛史、常務執行役員水沼久雄
手前左から、岡崎琴音氏、佐々木美穂氏、奥左から弊社会長上野守生、審査委員長黒川行治氏、弊社社長上野剛史、常務執行役員水沼久雄
手前から、岩田聖徳氏、奥左から弊社会長上野守生、審査委員長黒川行治氏、弊社社長上野剛史、常務執行役員水沼久雄
手前から、野原啓佑氏、奥左から弊社会長上野守生、審査委員長黒川行治氏、弊社社長上野剛史、常務執行役員水沼久雄
審査委員委員長 | 慶應義塾大学商学部 教授 | 黒川 行治 |
委 員 | 会計教育研修機構 理事・事務局長 | 新井 武広 |
委 員 | 早稲田大学商学学術院 教授 | 川村 義則 |
委 員 | 早稲田大学大学院経営管理研究科 教授 | 小宮山 賢 |
委 員 | 株式会社バリュークリエイト パートナー | 佐藤 明 |
委 員 | 青山学院大学大学院 教授 | 多賀谷 充 |
委 員 | 株式会社プロネクサス 取締役会長 | 上野 守生 |
(敬称略) |