プロネクサス懸賞論文
第1回プロネクサス懸賞論文
 株式会社プロネクサスは、2009年5月にCSR活動のひとつとして「第1回プロネクサス懸賞論文」の募集を開始し、同年12月には受賞作品を決定しました。
 「上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究及び提案(但し、実証研究分野を除く)」というテーマに対して、5本の論文の応募があり、審査委員会での検討の結果、優秀賞1本、佳作1本の論文を選定しました。第1回は、残念ながら最優秀賞の該当はありませんでした。

審査結果

最優秀賞 該当なし
優秀賞  1本
円谷昭一(埼玉大学経済学部 准教授、日本IR協議会客員研究員)
「事業セグメント情報にみるディスクロージャー制度の展望
―IRを踏まえた基準作成の必要性―」
佳 作  1本
山ア麻美、郡司麻未(成城大学経済学部3年)
「気候変動関連情報の投資家向け開示をめぐって
―国際的な開示フレームワークとの関連を中心に―」

講評要旨

 優秀賞を受賞した、円谷昭一著「事業セグメント情報にみるディスクロージャー制度の展望―IRを踏まえた基準作成の必要性―」は、意外性のある興味深い視点の提示をした点で高く評価しました。わが国においても、2011年3月期から米国基準および国際会計基準(IFRS)と同様のマネジメント・アプローチによる事業セグメント決定方法が導入されますが、当論文はわが国の上場会社のセグメント情報開示実態が米国に比べて劣っているとは言えない点を指摘しています。また、IRにおけるセグメント情報開示では制度開示よりも詳細な開示例などが多く見られ、IRを踏まえた会計基準作成という視点での検討が世界統一会計基準設定活動に貢献するのではないかと提案した点を、評価しました。
 佳作を受賞した、山ア麻美・郡司麻未共著「気候変動関連情報の投資家向け開示をめぐって―国際的な開示フレームワークとの関連を中心に―」では、気候変動関連情報開示の現状が十分に紹介されており、豊富な事例収集と、その情報の持つ公共的な意味での重要性の指摘が説得的でした。投資家が気候変動関連情報に求めるものや活用方法についての考察は必ずしも十分とは言えませんでしたが、若い研究者や学生の研究支援という本懸賞論文の趣旨に鑑み、著者には更なる研究の進展を期待し、佳作とすることに決定しました。

☆優秀賞受賞論文・講評全文は研究所レポート第4号に掲載されております。

授賞式の開催模様

 2009年12月2日、弊社において授賞式を開催しました。授賞式には、優秀賞、佳作に入賞された方々をお招きし、表彰状の授与などを行いました。
 はじめに、弊社代表取締役社長 上野守生より挨拶があり、次いで、黒川行治審査委員長(慶應義塾大学商学部教授)から、受賞作品に関する講評についてお話がありました。
 その後、表彰状の授与へと移り、優秀賞を受賞された円谷昭一氏に弊社社長 上野より表彰状と懸賞金(30万円)の目録が贈呈されました。佳作を受賞された山ア麻美・郡司麻未、両氏には、表彰状と懸賞金(10万円)の目録が贈呈されました。
 受賞された方々からは、「名誉ある賞の第1回目に選ばれて、誠に光栄です。上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的にするために、少しでも貢献できたならば大変うれしい。ぜひ、来年度も機会があれば応募したい」「論文執筆にあたっては、多大な労力がかかったが、非常に勉強になった。これからも勉学に励みたい」等の感想をいただきました。
授賞式の開催模様 授賞式の開催模様

ご参考

第1回プロネクサス懸賞論文募集要項(PDF)