第3回プロネクサス懸賞論文
資本市場の健全な発展に寄与することを目指し、2009年度から開始した「プロネクサス懸賞論文」を本年においても引き続き実施いたしました。このたび、受賞作品が決定いたしましたので、お知らせいたします。「上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究および提案」というテーマに対して、7本の論文の応募があり、審査委員会にて厳正かつ多面的に検討を行い、優秀賞1本、佳作1本の論文を選定いたしました。今回は、残念ながら最優秀賞は該当なし、となりました。
審査結果
最優秀賞 | 該当なし |
優秀賞 | 1本 金 鉉玉(東京経済大学経営学部 専任講師) 安田 行宏(東京経済大学経営学部 准教授) 「リスク情報開示とリスクマネジメント体制整備に向けた新たな視点 −ディスクロージャー制度の次なるステップへの展望−」 |
佳 作 | 1本 加藤 良治(一橋大学商学部3年) 「マネジメント・アプローチがセグメント情報の開示に与えた影響」 |
講評要旨
優秀賞は、金 鉉玉・安田行宏共著「リスク情報開示とリスクマネジメント体制整備に向けた新たな視点−ディスクロージャー制度の次なるステップへの展望−」です。本論文では、リスク情報開示の適用初年度から6年間にわたる7,000件超の開示事例分析結果をもとに、現行のリスク情報開示の実態が固定化・形骸化している可能性と、リスク情報開示はリスクマネジメント体制の改善を促すという効果を指摘しています。そしてこの実証結果から、「投資家の情報有用性の向上」と「経営者のリスクマネジメント体制の整備」という二つの視点に基づく具体的な提言を行っています。本論文はその完成度の高さ、比較的実行可能な改善案の提示、等から審査委員会では最優秀賞に推す声もありました。しかし、結論に対しいくつかの疑問が審査委員会で討議された点や、当論文の著者はリスク情報開示に関するデータ蓄積を十分に行っているようであり、今後も著者が研究成果を発表していくであろうことが期待される点からも、優秀賞に留めることとしました。佳作は、加藤良治著「マネジメント・アプローチがセグメント情報の開示に与えた影響」です。本論文は、マネジメント・アプローチ開始後のセグメント情報開示の実態の変化を網羅的に調査し、新基準の導入の有効性と弊害を指摘し、その改善案を提案しています。本論文は第一年度目のデータのみの分析であり、調査結果から導き出された結論についての疑問点も指摘されましたが、著者には今後の研究の継続とさらなる研究成果を導出することを多いに期待し、佳作とすることに決定しました。
※受賞論文、講評の全文は研究所レポート第6号(2012年1月刊行)に掲載してあります。
授賞式の開催模様
2011年12月1日午前10時より、弊社において授賞式を開催し、優秀賞を受賞された金鉉玉氏と安田行宏氏、佳作を受賞された加藤良治氏に、表彰状の授与などが行われました。はじめに、弊社代表取締役会長 上野守生より挨拶があり、表彰状の授与へ移りました。受賞者の方々には、弊社会長 上野より表彰状と懸賞金の目録がそれぞれ贈呈されました。
次いで、黒川行治審査委員長(慶應義塾大学商学部教授)から、受賞論文に関する講評についてお話がありました。
受賞者の方からは、「論文を執筆するにあたって、課題や意見の相違について議論を活発に行い、この論文を書き上げること自体が大変勉強になった」「講評で指摘された箇所については、今後の課題としたい」等の感想をいただきました。
左から、審査委員長黒川行治 氏、安田行宏 氏、金鉉玉 氏、加藤良治 氏、弊社会長 上野、弊社社長 上野
募集要項(ご参考)
テーマ上場会社のディスクロージャー・IRをより効果的、効率的なものにするための研究および提案。
(但し、実証結果を出すための実証分析は不可。なお、提案を補強するための実証分析を論文の一部に含めることは可。また、IRの具体的な表示方法等の工夫を提案することも可とする。)
応募資格
40歳以下(2011年9月20日現在)の日本在住の方。大学生・大学院生・研究者・一般社会人等。個人または共同執筆(2名まで)。
懸賞金額
最優秀賞50万円(1本)、優秀賞30万円(1本)、佳作10万円(若干名)
応募締切
2011年9月20日(火)当日消印有効(持参不可・応募先は下記参照)
審査方法
下記の審査委員で構成する審査委員会で審査を行います。
委員長 | 慶應義塾大学商学部 教授 | 黒川 行治 |
委 員 | 早稲田大学商学学術院 教授 | 川村 義則 |
委 員 | 早稲田大学大学院商学研究科 教授 | 小宮山 賢 |
委 員 | 株式会社バリュークリエイト パートナー | 佐藤 明 |
委 員 | 青山学院大学大学院 教授 | 多賀谷 充 |
委 員 | 株式会社プロネクサス 代表取締役会長 | 上野 守生 |
(敬称略) |
発表
受賞者名は、2011年12月頃を目途に弊社ホームページにて発表致します。
受賞者には個別にご連絡致します。
受賞作は弊社研究所機関誌「研究所レポート」に掲載致します。
最優秀賞論文は、専門雑誌への掲載も予定しています。
応募規定
1. | 日本語で書かれたもので、未発表論文に限ります(1人1点)。 |
2. | 参照した文献がある場合には、「参考文献」として明記してください。 また、引用した場合は出所を明記してください。 |
3. | 受賞論文の版権は当社に帰属します。 |
4. | 文章量は12,000字程度。図表・参考文献は別。 Word形式 A4 40字×35行(フォントサイズ:11ポイント)図表はExcel可。 |
5. |
論文データをE-mailに添付し、件名を「第3回プロネクサス懸賞論文応募」として応募先アドレスまで送付すると同時に、以下の必要書類を配達証明付で締め切り(当日消印有効)までに応募先へ郵送してください。 ・論文の出力原稿 ・要旨を800字以内(Word形式)にまとめたもの ・応募申込用紙(出力し、必要事項をご記入ください) |
6. | E-mailに添付していただいた論文データと、配達証明付きで郵送された必要書類が両方ともに揃った時点で応募とみなさせていただきます。 なお、応募された論文等は返却致しませんので、ご了承下さい。 |
問合せ・応募先
(株)プロネクサス プロネクサス総合研究所 懸賞論文係 佐瀬(させ)・織田(おだ)
〒105−0022 東京都港区海岸1−2−20 汐留ビルディング5F
TEL:03−5777−3032(平日9:00〜17:30) E-mail:souken@pronexus.co.jp
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