ディスクロージャービジネスへの展開

上野守生の就任後、当社の現在の事業基盤を形作る様々な革新が行われました。その第一歩は、商法(現在の会社法)関連書類への進出です。当社は株券印刷を受注する関係上、お客様は上場会社の総務部が中心でした。その縁もあって株主総会関連書類も一部受注していたのですが、1980年前後から、株式実務情報誌の発行や株式実務関連セミナーの開催など、お客様向けの情報サービスの充実を図った結果、株主総会招集通知や、株主向け年次報告書等の受注が急増しました。

その後、当社の将来ビジョンを描く過程で商法関連書類以外の成長分野として、証券取引法(現在の金融商品取引法)関連書類分野への進出を計画しました。この新たな事業構想に基づき当社は「ディスクロージャービジネス宣言」を1985年に公表しました。このときが当社にとっての実質的な第2の創業と言えます。決算関連開示書類の有価証券報告書、IPO関連書類の上場申請書、さらには投資信託関連書類へと取り扱い製品の範囲が大きく広がりました。

こうした動きを加速させるために、全国営業拠点網の整備、店頭登録から東証二部(現一部)上場、開示実務情報サービス機関ディスクロージャー実務研究会の設立、IPOセミナーの開始、投資信託関連書類のアドバイザリー体制整備、法定公告分野への進出等、矢継ぎ早の施策を投入しました。

この間、資本市場においては、金融ビッグバンによる外資系金融機関・投信運用会社の進出や販売窓口の拡大、IPOブーム等の環境変化がありました。この結果、それまで上場企業の総務部が主体であったお客様に、IPO準備企業、経理部、投資信託運用会社などが加わり、当社の売上も急増しました。

商法(現 会社法)分野への進出

1978年 商法関連書類印刷の営業体制・相談室体制強化
1978年

「株式実務のしおり」「相談室だより」
→情報サービスのさきがけ

1981年 商法大改正 → 総会屋排斥へ
→リスク管理の観点から適法性ニーズ増大
→招集通知・事業報告書の受注拡大
→単位株制度導入による株券受注枚数の減少
1983年

商法・証取法セミナー開始

1983年

品質・生産性向上のためNPS研究会に入会

証取法(現 金融商品取引法)分野への進出

1984年

上場申請書(証取法書類)を初受注

1985年

有価証券報告書(証取法書類)を初受注

1985年 「ディスクロージャービジネス宣言」
1988年

「株式上場申請書(Ⅱの部)作成の手引き」発刊

1988年 商法・証取法セミナーの拡充

IR分野への進出

1988年 IRビジネスへの取組みを開始
1988年

IPO企業向け事業報告書・会社案内・ビデオ連動制作開始

1989年 新規上場ラッシュ = IPOブーム
1990年

「株式公開セミナー」開始 → IPO支援・コンサルサービスの充実

1991年 証券団体協議会「IR活動の促進について」発表
1993年 日本IR協議会 発足
1990年代 当社の株式公開に向けて営業体制を整備・拡充
1990年代

全国支店・営業所網を整備

1994年

店頭登録

1996年

東証2部上場

1992年

法定公告・IR広告分野に進出

1995年 「上場申請書書き方教室」をスタート
1996年 「株式公開白書」発刊
1996年

「株式公開集中セミナー」を全国展開

1996年~ 金融ビックバン

投資信託分野への進出

1988年 投資信託関連書類分野に進出
1988年 専任営業体制を構築
1990年 外資系資産運用会社の日本における営業活動開始
1992年 アドバイザリー部門を整備
1996年 金融ビッグバン → 規制緩和 金融商品の販路拡大
1996年 外資系運用会社を中心に受注急速に拡大→全売上高の1割を超える
マーケティング体制強化
1998年 投資信託 銀行窓販解禁
2000年 投資信託法改正 → 証取法準拠の情報開示義務付け
制度改正後の受注急増に生産対応
J-REIT 立ち上げ支援サービス開始
2001年 不動産投資信託 (J-REIT) 初上場
以降、J-REITセクターにおいて、95%以上の新規上場案件、80%以上の決算・公募増資案件に参画(2016年3月現在)
2008年 投信・REIT分野の売上高→全売上高の3割近く超まで拡大