創業、株券専門会社としての成長

当社の歴史は、1930年12月、株券印刷の専門会社として上野一雄が「亜細亜商会」を創業したときに始まります。上野一雄は、先発の多くの印刷会社と同じ土俵で競争するのではなく、専門性に裏付けられた独自のサービス領域を最初からターゲットとして創業しました。それが株券印刷だったのです。

創業以来1970年代までの成長を牽引してきたのはまさにこの株券でした。この間、独自の実印押捺機や偽造防止技術などを開発することでサービスレベルと品質の向上を図りました。と同時に、今で言う情報セキュリティ体制の構築にも注力しました。
それは株券という、現金に極めて近い性格を持つ印刷物を受注する、当社事業の特殊性が必然的に求める要件でもありました。こうして当社は株券印刷専門会社としての基盤を築いていきました。

この間、当社は1943年の企業統合令により他社に一時吸収されましたが、戦後の1947年に亜細亜証券印刷株式会社として再興しました。その後、財閥解体や証券市場の復活、高度成長期の商法改正や資本市場の整備等様々な環境変化があり、それらの変化に的確に対応し、独自の付加価値を提供することで当社は日本の有価証券印刷分野のリーディングカンパニーへと成長しました。
そのさなか、1976年に創業者上野一雄が急逝し、第2代社長として上野守生が就任しました。

株券専業会社としての出発

1930年

亜細亜商会創業
創業の志:
「印刷技術の最高峰」「東洋一の株券印刷会社」
「印刷屋と呼ばれたくない」「信頼を買って頂く」

  • 当時の主要顧客:
    日本触媒他片倉グループ各社、理研工業薬品他理研グループ各社、カルピス、旭光学、品川精機、日本銅山、大日本農機、大東京食品配給、日東肥料、日本人造黒鉛、満蒙毛織、日満ガソリン、日満不動産、樺太採炭鉱業、串木野金山、太平自動車サービス、名古屋ダイカスト、ミヨシ化学、川島鉄工所、大洋漁業、昭和板硝子 等120社超
1935年

本社銀座に移転

1938年

実印押捺機開発 独自開発:生産性と信頼性の向上

1940年 「企業整備令」により 企業統合→株券需要→事業拡大
1943年 「企業整備令」により 川口印刷(現図書印刷)に吸収合併

戦後の復興

1947年 亜細亜証券印刷設立
戦時合併前の設備を活用→新富町で事業を再開
1947年 独占禁止法制定、財閥解体により企業の分割と株式公開が進む
~51年

三井グループ各社、協和醗酵工業等の大手企業から大量の株券受注

1957年

独自の偽造防止技術「多色細紋印刷方式」を開発→技術で差別化

1961年

独DRUPA視察、最新の印刷技術を吸収、設備投資拡大

1960年代 証券印刷のリーディングカンパニーへ成長
1976年代 創業者上野一雄死去 上野守生社長就任